地震前に報告されていた福島原発の検査漏れ

今はまだ福島原発が予断を許さない状態で、東電や保安院の責任を問いただすようなフェーズではないが、そのうち事態が落ち着いて賠償責任などの話が出てきた時に話題になりそうな話を@gakuranmanさんから教えてもらった

東電としては今回の地震津波による被害を想定外の「異常に巨大な天災地変」として免責を望んでいるだろうし、そうでなければ一企業としてとうてい賠償できる規模ではないと思う。

しかし本当は人災だったのじゃないかと、疑いたくなるようなロイターの記事がこれ。
Stricken Japan plant missed scheduled inspections: filing | Reuters

震災のほんの2週間前に、東電は保安院に柏崎、福島第一・第二原発の定期検査に不備があったとの報告を行っている。

当社原子力発電所における点検計画に関する調査結果および原因と再発防止対策について(最終報告)
↑に対する保安院の回答
東京電力株式会社柏崎刈羽、福島第一及び福島第二原子力発電所の点検周期を超過した機器に係る報告の評価について

東電の報告のPDFでは、例えば第3号機の「非常用ディーゼル発電機冷却系の海水ポンプの電動機」で点検が行われておらず、「健全性」を確認したうえで、「点検実施予定」となっている。つまり…、やってないわけだよね?

もっとも、不合格を放置していたというような致命的なものではないし、これらをちゃんとやっていても、やっぱり津波の被害は発生したのかもしれない。しかし、どうしても非難は免れないだろう。

自分の仕事においても、いろいろ気をつけようと思った。